「炎の少女チャーリー」 念力放火能力







原作はスティーブン・キングの傑作「ファイアスターター」。「日本沈没」と並んで子供時代の自分に読書の楽しみを教えてくれた本であります。政府の投薬実験に参加した夫婦の娘が念力放火能力を有しており、その力を狙う政府の秘密機関との逃亡・追跡劇をスリリングに描いた長編、荒木飛呂彦が「バオー来訪者」でまんまプロットをパクった事でも有名。

ディノ・デ・ラウレンティスのプロデュースで制作された映画版は出来がよろくしくなくて評判が悪い。自作の映像化作品は出来不出来にかかわらず好きだと言うキングも本作と「シャイニング」だけは許せないそうな。
演出がたるい、テンポが悪い、「コマンドー」を撮った監督の作品とはとても思えない。チャチな特撮は自分は許せるけど。現在のCGでやったらかえって興ざめかも。クライマックスのカタストロフは原作では昼だったのを夜に変えたのは良改変。特撮の粗をごまかせる。
何よりマズイのが撮影、照明、セットの出来の悪さ。映像が薄っぺらで安手のテレビドラマみたい。劇場映画としての風格がない。
唯一の救いがタンジェリン・ドリームのサウンドトラック。これは素晴らしい出来で屋台骨がガタガタな本作をなんとか支えている。
脚本は「原作の表面をなぞっただけの薄っぺらな代物」と批判されたが原作のストーリー自体は面白いので退屈はしない。

ラウレンティスの作品なので俳優はやたらと豪華。アート・カーニーとルイーズ・フレッチャーはせっかくの出演なのにあまり出番が無い。デヴィッド・キースは「馬鹿ヅラで最悪」とキングがこき下ろしている。自分はそこまで酷いとは思わないが…。ジョージ・C・スコットは政府の工作員役だが先住民にはとても見えない。「ファイヤーフォックス」、「ジャガーノート」のフレディ・ジョーンズが科学者役で出ている。

国内版DVD・BDは現在のところ未発売(北米版はある)。リリースしていただけるならテレビ放映時の吹替の収録を是非お願いしたい。見たことはあるが録画しなかったのが悔やまれる。

BSでは北米版BDと同一マスターと思われるHD版が放送済み。シネスコサイズで画質はピカピカでした。


監督 マーク・L・レスター

ドリュー・バリモア(渕崎ゆり子)/デヴィッド・キース(安原義人)





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