「ランゴリアーズ」 ウルトラマンタロウ異世界にて遭難







スティーブン・キング原作のテレフィーチャー作品。尺は前後編合わせて3時間。

ボストン行き旅客機の乗客乗員が突如消失、眠っていた乗客10人だけが残される。残った乗客の中に運良くパイロットがいて機を操縦するが無線は完全に沈黙、核戦争でも起こったのかという疑念を持ちつつバンゴア国際空港への着陸を成功させる。しかし空港は完全に無人状態で…。

キングの映像化作品では珍しく原作よりドラマ版のほうが面白いと思えた珍しい逸品。舞台は旅客機の機内と無人の空港のみ、登場人物は基本10人だけという限定された設定ながら才人トム・ホランドの演出・脚本と有名無名取り混ぜた俳優陣の力演で最後まで楽しく見ることができる。知恵のある者、技術のある者、勇敢な奴、足を引っ張るロクデナシなど多様なキャラが出てきて取っ組み合ういつものキング作品のパターンが踏襲されている。

CGで製作された怪物・ランゴリアーズの出来の悪さは失笑モノだが笑ってはいけない。95年の作品だしね。口だけオバケのデザインは「デッドリー・スポーン」の影響を受けている。

主演の機長役は売れる前のデヴィッド・モース。自分は本作で彼の顔と名前を覚えた。誠実イメージが強くて他作品で悪役をやってるのを見ると違和感を感じてしまう。準主役に「タイタニック」のマーク・リンゼイ・チャップマン。タフで強くてハンサムで格好良い。ヒロインに「シティ・スリッカーズ」のパトリシア・ウェティグ。やたらと的確に現状を分析・推理する作家役で名優ディーン・ストックウェルが出ている。悪役の卑劣漢に「トゥルー・ロマンス」のブロンソン・ピンチョット。あの映画同様本作でも末路が悲惨。それと「羊たちの沈黙」のバーニー役で有名なフランキー・フェイソンが出演。

吹替は2種類存在する。テレビ放送版のモースの吹替はウルトラマンタロウこと篠田三郎という超変化球。篠田氏の吹替の仕事はおそらく本作が唯一だと思う。見事な演技で違和感なし。田中秀幸の声質と演技に似ている。チャップマンは信頼と安定の磯部勉。他のキャストはかとうかずこ、岡村明美、有川博など。
ビデオ版はメインの二人に堀勝之祐・大塚明夫。助演は戸田恵子、坂本真綾、阪脩、飯塚昭三ほか。メインは甲乙つけがたいが脇役はビデオ版の面子のほうが自分の好み。ピンチョットの吹替は両方とも大塚芳忠がアテている。

国内版DVDは「スティーブン・キングのランゴリアーズ」に改題されて2008年にリリースされている。吹替は残念ながら放送版のみの収録。95年製作のテレビドラマなので画面比率は4:3スタンダードサイズ。


監督トム・ホランド

デヴィッド・モース(篠田三郎(テレビ放送版):堀勝之祐(ビデオ版))/マーク・リンゼイ・チャップマン((磯部勉):(大塚明夫))/パトリシア・ウェティグ((かとうかずこ):(戸田恵子))/ディーン・ストックウェル((有川博):(阪脩))/フランキー・フェイソン((青森伸):(飯塚昭三))/ブロンソン・ピンチョット(大塚芳忠)







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