奇想の映画作家ラリー・コーエン原案の快作サスペンス。
教職員のジェシカ(キム・ベイシンガー)は突如謎の組織に誘拐され監禁されてしまう。組織の次の狙いはジェシカの夫と息子だった。監禁部屋にあった壊れた電話を修理したジェシカは外部に救助を求めようとする。電話はライアン(クリス・エヴァンス)という見ず知らずの青年の携帯に繋がった。ライアンはジェシカたちを助けるため奔走するが…。
コーエンらしい突飛な設定で突っ込みどころは多いがテンポの良い演出、スリルの連続で楽しめる。監督は「デッドコースター」のデヴィッド・R・エリス。本作に続いて監督した「スネーク・フライト」も面白かった。メリハリの効いた演出が特徴やね。コメディ要素も上手く機能しておりライアンが嫌味な弁護士から携帯と高級車を分捕るシーンは笑えた。
クリス・エヴァンスがボンクラだが絵に描いたような「イイ奴」を好演。ウィリアム・H・メイシーが独自捜査で真相に迫る警官役で出演している。この御仁、酷い目にあって最後には殺されてしまう役ばかりやっているので本作でもヤラれちまうんだろうなと思っていたら大活躍してビックリ。クライマックスではついにライアンと合流、共闘して組織と戦う姿は燃えるぜ。メイシーさんもさぞ嬉しかっただろう。退職間際の警官が活躍するというプロットは「フォーリング・ダウン」のロバート・デュバルと同じだな、そういえば。ジェイソン・ステイサムが悪役で出演。
吹替はTV版とソフト版の2種類。TV版のキム・ベイシンガーは五十嵐麗がアテている。ときめきメモリアルの鏡魅羅で有名な人ですな。メインの仕事は吹替だが主演は珍しい。江原正士はチョイ役(車をジャックされる弁護士)で登場。贅沢な使い方だ。
監督 デヴィッド・R・エリス
キム・ベイシンガー(五十嵐麗(TV版):塩田朋子(ソフト版))/クリス・エヴァンス(竹若拓磨:桐本琢也)/ウィリアム・H・メイシー(山野史人:佐々木敏)/ジェイソン・ステイサム(谷口節:宝亀克寿)
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