ホラー映画の見せ場を集めたアンソロジー。「ハロウィン」のドナルド・プレザンスと「ミッドナイトクロス」のナンシー・アレンがホスト役となり、映画館で観客とともにホラー映画を見ながら作品解説をするという構成。
編集のつなぎが絶妙。オープニングは「恐ろしいもの」がドアを破って入り込もうとするシーン(シャイニング、ザ・ブルード、鳥、遊星からの物体X、マラソンマンなど)をタイミングよく繋いで掴みはオッケー。中盤は「ザ・モンスター」「ナイトホークス」からの引用が多くてややダレる。レーティングを意識したのか過激度が低いのも減点材料だが楽しく見れる。ラストのプレザンスの「たかが映画さ。でも映画が終われば家に帰らなければないらない。たったひとりで」という台詞の後「恐ろしいもの」が一斉に襲いかかってくる場面が続き、最後は「悪魔のいけにえ」のレザーフェイスがドアをバシーンと閉めるシーンで幕。イカすぜ。しかし家で映画を見ることが多い昨今、プレザンスの言葉は世相に合わなくなってるな。
本作を制作したのは映画の予告編製作で定評のあるカレイドスコープ・フィルムズ社。監督のアンドリュー・J・キューンは同社の創始者である。
本作は深夜帯で吹替が放送されたことがある。ナンシー・アレンは定番の小宮和枝だった。プレザンス、アレン、観客は吹替音声だったが引用されている作品まで吹替だったかは記憶に無い。もう一度見てみたい。
LDはCAV仕様の2枚組でジャケットは引用元の映画のタイトルを網羅、好きな場面を呼び出せるようフレーム番号まで記載されている親切構成。しかし肝心の映像は上映プリントをそのままテレシネ・字幕が手書きで画面右横に出る粗悪仕様。昔のビデオソフトやLDはこんなモノが平気でまかり通っていた。画角がビスタサイズなのは良かったんだけどね。
ユニバーサルからリリースされた「ハロウィンⅡ」の北米版Blu-rayにはなンと本作が特典として一本丸々収録されている。気前が良いなぁ。デジタル調整はされてないようだがピカピカのニュープリントでありがたい。字幕は英語のみだけどまあイイってコトよ。国内版BDは残念ながら未収録なり。残念。
監督 アンドリュー・J・キューン
ドナルド・プレザンス(大木民夫)/ナンシー・アレン(小宮和枝)
北米版BD。ザッツ・ショックを収録
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