「ブラッディ・ガン」 追悼アラン・リックマン

001.jpg






イギリスの名優アラン・リックマンが亡くなった。69歳、死因はガンとの事。

英国王立演劇学校出身で舞台俳優・テレビ出演で活躍していた彼は初めての劇場映画出演作「ダイ・ハード」で映画史に名前を残す事になる。ナカトミ・ビルを占拠するテログループの親分ハンス・グルバーは知的でエレガント、ユニークな悪役で観客に強烈な印象を与えた。出演当時41歳。
悪党だがどこか憎めないというキャラはその後の出演作でも多く見られる。独特な雰囲気がある稀有な俳優だった。頭は切れるが腕っ節は弱そうなのが特徴ですな。

代表作は自分なら「ダイ・ハード」を挙げるが、もう一つ忘れられない作品がある。それが本作「ブラッディ・ガン」。1990年作品だから「ダイ・ハード」の2年後、リックマンのフィルモグラフィーでは初期作品だな。

内容はオーストラリアを舞台にした西部劇。変な表現だが実際そうなんだから仕方ない。豪米合作だそうだ。主演はアタシのお気に入りのトム・セレック。
特注のシャープスライフルで1km先の目標も撃ちぬく狙撃の名人マシュー・クイグリー(トム・セレック)はオーストラリア在住の大牧場主マーストン(アラン・リックマン)の誘いではるばるアメリカから海を渡ってくる。しかしマーストンの目的は武力による先住民アボリジニ虐殺であった。激怒したクイグリーはたった一人でマーストン一味との戦争をおっ始める。

西部劇で主人公が狙撃の名手という設定は珍しいかな。長距離狙撃の利を活かして頭数のハンデを乗りきるセレックの戦いぶりはゴルゴ13みたいで小気味良いぞ。
アラン・リックマンは皆薄汚い身なりをしている中、一人だけ黒のスーツに白シャツでビシっと決めている。セレックはライフルの名手だがリックマンはピストルの使い手という設定。クライマックの対決ではこの設定が効いている。悪辣な奴だがコミカルでどこか憎めないのはダイ・ハードと同じ。和やかに食事をしながらセレックにアボリジニ殺戮を依頼、次のカットではセレックに窓から放り出され部下達に「手を出すな。俺がやる」と宣言、再戦を挑むが今度はドアから叩きだされるシーンは笑えた。

明るく楽しい作風だがアボリジニ虐殺の描写はかなりキツイもので洒落になってない。
監督は「フリー・ウィリー」「ハーレーダビッドソン&マルボロマン」のサイモン・ウィンサー。佳作SF「ダリル」もこの人の作品だ。
撮影監督は「マッドマックス」のデヴィッド・エグビー。オーストラリアの雄大な平原を活写した手腕はお見事。
サントラは今は亡きベイジル・ポールドゥリス。

脚本は70年代に執筆され、スティーブ・マックィーンやクリント・イーストウッドが主演候補に挙がっていたそうな。マックィーンの病気が理由で製作が流れオクラになっていた企画をアラン・ラッド・ジュニアが気に入り映像化実現にこぎつけた。

現時点では国内版DVD・BDは未発売。吹替が存在するかは不明。


監督 サイモン・ウィンサー

トム・セレック/アラン・リックマン/ローラ・サン・ジャコモ/クリス・ヘイウッド
002.jpg

003.jpg
004.jpg
005.jpg
006.jpg




この記事へのコメント