「真田丸 第20話 「前兆」」感想 聚楽第の落書き





大河ドラマ 「真田丸」第20話感想。

徳川から正室を迎えることになった信幸は「こう」と離縁、忠勝の娘「いな」と縁組する。
後に小松殿と呼ばれるようになる女性である。
輿入れに従ってきた従者の中に男泣きに泣いている者が居た。
「新しい嫁は随分と家来衆に慕われているのですね」と驚く薫だが昌幸は「あれは父親じゃ」と答える。
忠勝さん何をしてるんですかねえ。
徳川四天王の一人が公に付き添いをするわけにもいかないので従者に化けたのね。昌幸にはバレてたけど。
「こう」は表向き女中として真田の家に留まることに。

本作が始まった当初から気になってたのだが「こう」役の長野里美は歳を取りすぎてる。
信幸役の大泉洋は43歳だが、それより10歳以上歳が上だもんね。
信幸は婆さんを嫁にした男という誤解を生みかねない。
「こう」は正室の座を退いた後も信幸の子を産んでるしキャスティングに無理がある。
三谷幸喜がお気に入り女優をゴリ押ししたのかね。

茶々が懐妊し秀吉は大喜びするが、聚楽第の白壁に茶々の懐妊を揶揄し秀吉を侮辱する落書きが書かれたことを知り激怒。犯人の捕縛を命ずる。
三成は落書きの一件が秀吉の耳に入らないうちに揉み消そうとするも偶然落書きを見た且元がわざわざ御注進。
ヘマをやる役はいつも且元だな。
そして三成から面倒な仕事を押し付けられる役は信繁と平野長泰。犯人の捜索を命じられる。
現場を調べて犯人像を的確に分析、推理する信繁はまるっきり古畑任三郎(笑)。
番人の尾藤道休が怪しいと目星をつけるが尋問した所事件とは無関係らしい。

刑部殿が「たかだかイタズラ書きで上に立つ者が目くじらを立ててどうする」とごもっともな意見。
三成は「殿下の前で同じことが言えますか」と返すが形部は「もちろん」と実行しようとする。慌てて制止する三成。
犯人が見つからない結果秀吉は門番17人を磔にする。信繁は大いに憤り三成は浴びるように酒を飲む。
さらに犯人が見つかるまで町人を無差別に殺すと秀吉が言い出し、信繁と三成、形部は急死(自害?)した道休に罪を被せて落着を図る。
しかし秀吉はさらに道休の親類隣人皆殺しを命じ、さすがの三成もこれには怒り反抗、切腹を命じられそうになるが寧と茶々の介入で事なきを得る。

天下人秀吉の悪政の始まりを象徴するイヤーな事件。後味悪し。
落書きは速攻で消されたので文章の内容は正規の記録にはないそうだ。
現在知られている文言は「武功夜話」に載っていたものだが、あの本は信頼性が微妙なのよね。
「さる関白」の文は利休切腹の直前に洛中の高札に書かれていたはずで、本作ではひとまとめにしたらしい。

寧の「秀吉は子供を孕ませたことがない」という台詞は引っかかった。
秀吉が長浜城主だった頃に側室に生ませ早逝した石松丸の存在が無視されている。
本作は設定考証に凝っているので脚本家が知らないはずはないと思う。
話をわかりやすくするために意図的に省いたんだろうな。

今回は三成がだいぶ男を上げたな。ちょっと嬉しい。

次回から北条征伐が始まる模様。真田と北条の領地争いが戦端になるのだが、本作でどんなふうに描かれるのか期待。



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