「真田丸 第38話 「昌幸」」感想 昌幸死す





大河ドラマ 「真田丸」第38話感想。

真田親子の九度山生活が始まった。
昌幸はすっかり気落ちしており、実務担当は信繁の役目である。
信繁は村長のロッキー刑事、じゃなかった長兵衛(木之元亮)に挨拶に出向くが村の衆は

「さっさと出ていくか死んでくれ」

と無礼千万な受答え。不歓迎ムード全開。
木之元亮はちょっと横幅が広がってバリトンボイスもしゃがれているけど髭面のお陰かロッキー刑事の面影が感じられる。いいぞいいぞ。
九度山には正妻の「はる」及び筆頭重臣の高梨内記とその娘「きり」もついてきた。
優れた武将だった内記も今では野良仕事担当。嫌な顔ひとつせず主に尽す姿は立派。
内記は昌幸が亡くなった後も九度山に残り、信繁とともに大阪の陣で戦ったそうだ。忠義者よのう。

稀代のトラブルメーカー、ウザキャラの「きり」もこの状況では腹が座っていて頼もしい。
信繁の

「お前はいっつもいるな」

という台詞が笑える。子供の頃からの付き合いなんだよな。
「きり」役の長澤まさみは現在大ヒット中の劇場アニメ「君の名は。」で「綺麗なお姉さん」の声を担当しているが、なかなか見事な演技でござった。

手紙で信之の改名を知らされた昌幸は信繁に

「源三郎が捨てた「幸」の字をもろうてくれるか。幸信繁はどうだ」

と提案。信繁は返答に困る。
俗説・伝承では信繁は九度山で「幸村」に改名したとされているので、その件を踏まえたギャグですな。芸が細かい。

三成に「面倒な女」と警告されていた「はる」は暗黒面が徐々に表面化、信繁を困惑させる。
やがて「はる」は信繁の嫡男である大助を出産。

上杉景勝がちょっとだけ登場(台詞なし)。所領を4分の1に減らされてしょんぼり。
宇喜多秀家のフォローがないな。史実では八丈島に流刑になって長生きしたんだけど。

家康が征夷大将軍に任じられ、昌幸は御目出度ムードのおこぼれによる赦免を期待するが家康は信之の赦免嘆願を一蹴。
2年後の秀忠の将軍就任時の嘆願も同様であった。
本多正信は昌幸に同情的で「許してやろうよ」と家康に言上するが相手にされない。

板部岡江雪斎が信繁を訪ねてきた。
江雪斎は後に信繁が天下に名前を轟かせることを予見する。

本多忠勝が家康に隠居を申し出て翌年に世を去る。
信之の子供たちと遊んでる時に刃物の取扱を誤って怪我をしたのが隠居切っ掛けであった。史実のエピソードを踏まえておりますな。
信之との最後のエピソードが欲しかったな。愛娘「いな」とのエピソードも何故か無かった。

信之は父の赦免のために奔走を続け、北政所ゆかりの人物である小野お通(八木亜希子)を紹介される。
お通が初登場。真田太平記にも出てた人だ。信之が惚れていた女性だという話だが。

凛々しい若武者に成長した豊臣秀頼が登場。
加藤清正は片桐且元に「秀頼と家康の会談」のセッティングを要請。
会見場所は二条城に定められた。
秀頼と対面した家康は成長した秀頼の器量に危機感を覚える。二条城会見は徳川・豊臣の緩和を願った故の清正の発案だったが、かえって家康に豊臣潰しを決意させる結果になる。
清正は帰城の際に服部半蔵に毒を盛られ、間もなく死亡する。

本作の秀頼は聡明な設定らしい。秀頼様は作家によって人物像が180度変わるキャラクターだ。
秀頼の護衛は史実では清正とともに浅野幸長が一緒だったが本作ではカット。清正同様大阪の陣の前に急死している。徳川による毒殺説が根強い。
伊賀越えで活躍した半蔵は関ヶ原の前に死去、二代目の半蔵は素行不良でクビになっているので猿飛佐助のライバルとして戦った半蔵は架空の「忍者・服部半蔵」ですな。
「部下の不信任で解任されたのは表向きの詐略で実際は地下に潜り真田の忍びと戦う」という南原幹雄の「暗殺剣」という小説がある。

老いと病で衰えていた昌幸が倒れ、再び立ち上がることはなかった。
死の床で昌幸は信繁に徳川に勝つための戦略を説く。
一族や家臣が見守る中昌幸は世を去った。
小身ながらも大国と互角に渡り合い戦い抜いた謀将の最後であった。

表裏比興の者もとうとう退場。草刈正雄の名演と三谷脚本が見事に噛み合い実に味わい深いキャラクターでした。
有名な丹波哲郎昌幸に勝るとも劣らない存在感だった。
晩年は髪を下ろし、有名な「昌幸の肖像画」と同じ髪型になっているのも細かい配慮。

次回からはようやく幸村(信繁)が単独の主人公に。今までは実質父御とのダブル主人公だったもんね。




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