「忠臣蔵 (1985年 里見浩太朗主演ドラマ版)」 将軍家を土下座させろ!

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忠臣蔵の映像化作品では個人的ベストの本作。
放映当時、その面白さ故かなり評判になったと記憶している。
85年末に二夜連続・前後編で放送され、後編は紅白歌合戦相手に視聴率でかなり健闘したそうな。
本作の成功で日テレの年末大作ドラマ「年末時代劇スペシャル」がシリーズ化された。
次作の「白虎隊」が最高傑作だと思うが本作も名作。杉山義法の脚本が大変素晴らしい。杉山はシリーズ全9作の内8作の脚本を担当した。

本作の成功の要因のひとつが前後編4時間という尺。2時間だと短すぎるし1年間の連続モノだと長過ぎてダレる。
浪士たちのエピソードをもっと増やしてもう1時間ほど長くしても良かった気もするけどね。

俳優陣は超絶豪華。昭和の俳優は良かったねえ。
大石内蔵助に里見浩太朗。威厳がありすぎて昼行灯的要素は薄いが強力なリーダーという役柄にピッタリ。
浪士隊メンバーに下川辰平、竜雷太、勝野洋ら「太陽にほえろ!」の七曲署の刑事連中と阪脩、堀勝之祐、有川博ら声優の皆さんが参加しているのが見どころ。
他に加藤嘉、高品格、あおい輝彦、田村亮、本田博太郎など魅力的なメンツが出ている。
本作に出演した俳優たちは後のシリーズにも高率で再登板しているが顔ぶれが同じ為、役のイメージがごっちゃになるという弊害もあった。里見浩太朗はシリーズ4作で主演、2作で準主役を演じた。

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吉良上野介に森繁久彌。誠実イメージが強いので悪役はどうかなと思ったがさすが名優、見事な演技。
底意地が悪くて実に憎たらしく「この悪辣ジジイをブッ殺せ」という動機づけは十分。
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「殿中でござるぞ」

浅野内匠頭は風間杜夫。次作「白虎隊」の松平容保同様この人は駄目な貴公子の役が実に良く似合う。
本作では浅野内匠の吉良への対応にも問題があったと事になっている。ボタンの掛け違いが原因のトラブルですな。
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内匠頭から事情を聞く多門伝八郎(竹脇無我)。多門は内匠頭に同情的であった。
竹脇無我はルックスも声もカッコよくて痺れるのう。
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お家取り潰しにより浪士になってしまった赤穂藩家中の皆さん。
原惣右衛門(下川辰平)と岡嶋八十右衛門(堀勝之祐)。
阪修と堀は「太陽にほえろ!」に度々ゲスト出演している。
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討ち入り決定により大石は垣見五郎兵衛の名を騙り江戸へ向かう。
しかし投宿先に本物の垣見五郎兵衛(西田敏行)が現れ大石と対峙する「大石の東下り」の場面。
垣見殿の心遣いが身に染みる(涙)
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赤穂浪士討ち入り。

「今、江戸の夜空に高らかに鳴り響くは一打二打ち三流れ。これぞ山鹿流の陣太鼓」

ナレーション担当の鈴木瑞穂による名調子。燃えるぜ。
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吉良の隣人土屋主税(伊吹吾郎)。浪士の討ち入りを黙認、不介入を約束する。
伊吹は水戸黄門の格さん役があまりに有名。助さん役の里見・あおい輝彦両名は浪士役で討入の最中(笑)
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清水一学(堀内正美)。二刀流で浪士たちを迎え撃つ。
堀内正美は太陽にほえろ!でよく変質者役を担当していた御仁。
このシリーズでは公家の役が多かったような。
一学役は見せ所があって美味しい。
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父上野介の救援に向かおうとする上杉綱憲(中村橋之助)を諫止する色部又四郎(丹波哲郎)。
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又四郎の独白が素晴らしいのでそのまま引用。

「やりおったのう大石」
「白髪首をひとつ取ったぐらいで御政道の過ちが正せるか」
「庶民の拍手喝采を浴びて、それで事が済むなら容易いことじゃ」
「どうせなら将軍家を土下座させてみよ!」

本作で一番盛り上がる熱い場面。
大石への賞賛と吉良への反感、公儀への不満がない混ぜになった見事な台詞。
本作の脚本家は天才としか言いようがない。
丹波の演技も見事。
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上野介最後。
何故か赤穂浪士達が見守る中敦盛を舞いながら登場。
往生際の良い吉良は違和感あり。最後だけ人格者になられてもね。
森繁への配慮だろうか。
浪士たちの表情と美しいサントラは感動的なり。
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赤穂浪士凱旋。町民の大歓迎を受ける。

浪士たちの処分に苦慮した綱吉(夏八木勲)は儒学者の荻生徂徠(西村晃)と林大学頭(佐野浅夫)の意見を求める。
徂徠は処罰派、林は助命派で大激論。演じる俳優二人はどちらも水戸黄門を演じた御方。粋なキャステイング。
綱吉は比較的マトモな人物に描かれている。

結局浪士たちの切腹が決まり死場へ歩む蔵之介の姿で幕。
いやあ、面白かった。
結末だけは学研まんが「大石良雄」のラストの方が好きだけど。

サントラはZガンダム、ZZにそっくり。というかそのまま流用している曲もある。
作曲者が同じ三枝成章とはいえ良いのかな。
主題歌は堀内孝雄の「憧れ遊び」


監督 斉藤武市

大石内蔵助(里見浩太朗)/吉良上野介(森繁久彌)/浅野内匠頭長矩(風間杜夫)/片岡源五右衛門(竜雷太)/赤埴源蔵(あおい輝彦)




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