海外ドラマ 「ツイン・ピークス The Return」 第1話 感想 25年後の再会

TW_01_1.jpg





「ツイン・ピークス」が帰ってきた。作中でローラー・パーマーが予言していたように25年ぶりの再会である。
現実とストーリーの経過時間がシンクロした続編という点では「サイコ2」と同じですな。

自分は前作の大ブームの直撃世代。当時はバブル絶頂期で入手困難だったLD-BOXがプレミア価格で売られていた。
漫画家の荒木飛呂彦先生も前作にハマっていたらしく「ジョジョの奇妙な冒険」第4部はまんまツイン・ピークスのノリだった。
4部で最初に出てきた悪役「アンジェロ」の名はサントラ担当の作曲者から取ったと思われる。

大ブームも劇場版の評判が最悪で沈静化して過去のものに。
映画館へ見に行った自分の頭の中は「?」マークで一杯だった。
一緒に行った友達はえらく腹を立てていた。
売店でチェリーパイを売ってたな。商魂たくましいことよ。

新シリーズを視聴した感想。

まず感じたのは同窓会的な顔ぶれへの懐かしさ。
オリジナルキャスト大集合。皆すっかり面変わりしてヨボヨボだが個人的には嬉しい。

TW_01_2.jpg

クーパー捜査官そっくりな謎の男
TW_01_3.jpg

ベンジャミン・ホーンと弟のジェリー
ジェリー役のデヴィッド・パトリック・ケリーは「コマンドー」でシュワに崖から放り捨てられる小悪党役で有名
TW_01_4.jpg

ルーシー
TW_01_5.jpg

ホーク保安官
TW_01_6.jpg

丸太おばさん
TW_01_7.jpg

巨人


「踊る小人」がいなかったのは残念。
「キラー・ボブ」役のフランク・シルヴァは既に亡くなっているので別の悪役を用意せんと。
サントラは前作と変わらずアンジェロ・バダラメンティ。あのテーマ曲を聞くと落ち着く。
ジュリー・クルーズの歌は使われてなかった。また聞ければ良いんだけど。

本作の最大の特徴はデヴィッド・リンチの作風がフルスロットルで炸裂していること。
これは本当にすごい。
前作は娯楽サスペンスドラマとしての体裁を一応保っていたが本作はリンチの劇場映画そのもの。
意味不明な映像と破綻した展開満載で、しかもそれが味になっている。
「マルホランド・ドライブ」や「ロスト・ハイウェイ」などのリンチ原理主義映像をテレビドラマに逆移植した感じ。
この無茶苦茶な内容は制作体制に起因している。
前作は視聴率低下により尻切れトンボで打切となったが、今回はあらかじめ全18話を制作してから放送するという契約だったそうな。
しかも配信メインなのでウルサイ放送コードを気にせず、やりたい放題やれたらしい。まさに無法地帯。
リンチは全話の演出と脚本(マーク・フロストと共同)を担当。
ちなみにリンチはもう劇場映画は撮らないと宣言している。
今の映画界は規格工業製品的娯楽映画でないと予算がおりず、リンチが作っていたような不条理系難解映画の製作は無理とのこと。
テレビドラマに活路を見出したということですな。

不満だったのは話の舞台を広げすぎたこと。
本作はワールドワイドで様々な場所でストーリーが同時進行する模様。
個人的にはツイン・ピークスに舞台を絞って欲しかった。

2017年7月現在WOWOWの公式ページで吹替版第1話を視聴可能なので興味がありましたらお試しあれ。


監督 デヴィッド・リンチ

カイル・マクラクラン(原康義)/シェリル・リー(高島雅羅)




この記事へのコメント